STORY 04 | 地域とモノ
“おくるたしなむ福岡九州の日本酒”
~福岡の日本酒の魅力と文化継承への想い~
福岡は西日本第2位の酒蔵数を誇り、日本酒造りが盛んな地域。そんな伝統産業をさらに盛り上げるため、福岡銀行地域共創部は、「福岡の酒蔵を応援したい!」「次世代の日本酒ファンを増やしたい!」との想いをこめた“おくる たしなむ福岡九州の日本酒”企画を立ち上げました。本企画では、住吉酒販が「大切な人へおくる」「ご自身でたしなむ」シーンに合う日本酒を厳選し、エンニチECサイトにて販売しています。(~2021年5月)今回は、複数商品をご提供いただいている山口酒造場の日本酒造りに対する想いと、酒蔵見学や試飲会を通じて新たな日本酒の魅力を知った住吉酒販と福岡銀行の女性2人のストーリーをご紹介いたします。
酒蔵の美意識 ~山口酒造場の想い~
酒蔵は美しい
西鉄甘木線北野駅から徒歩圏内。北野天満宮へと続く通りに面した歴史ある建物。
1832年から約2百年、日本酒造りを続けてきた山口酒造場の建物・敷地には、この地にしかない厳かな空気が漂っています。
その中で有名なのはお酒の銘柄になっている「庭のうぐいす」の由来となった場所。茶室前にある湧き水で水浴びする鶯を見て日本酒造りをひらめいたそうです。鶯は北野天満宮の化身という謂れもあり、この地だからこそ名付けられた銘酒です。
その一方で、母屋と土蔵はデザイナーによる空間設計を施しており、美術館のような空間が広がっています。外見とのギャップがさらに酒蔵の魅力を高めています。
地域と共に
山口酒造場のお酒造りには、筑後川や筑後平野で育まれた水やお米が欠かせません。
「1991年の台風被害で北野地区にも大きな影響が出て一時期移転も検討したこともありましたが、『山口酒造場のお酒造りにはこの地の空気と水が欠かせない』との想いからこの地に留まる決意をしました。」と11代蔵元山口さんが語るように、この地にこだわったお酒造りをされています。
「素材にこだわり、自分達の手で酒米も育てたい」との想いから地元農家の協力を得ながら米作りにもこだわりをもっています。
伝統を守りつつ新たな挑戦を
山口酒造場の経営理念は「お酒の新たな価値を創造し、人々の豊かな食生活と国の発展に貢献します。」
日本に脈々と受け継がれる米作りと酒造り。この伝統を守りつつ、新たな挑戦で海外向けや若い人にも飲みやすく、たしなみやすいお酒造りにも積極的に取り組んでいます。
今回の企画のコンセプトにも共感頂き、新たな挑戦を共にしていきます。
2人の女性が見つけたものとは~酒蔵を訪れて~
今回の企画の目玉の1つとしてRKB番組「日曜もシエスタ」と連携したイベントとして、2名の女性が酒蔵見学に行ってきました。
福岡の日本酒を届け続ける 住吉酒販 吉岡さん
博多に本店を構え、約100年の歴史を持つ住吉酒販。
福岡を中心とした逸品の日本酒を消費者に届けることはもちろん、「日本酒は偉大な自然と人間の叡智の掛け合わせて生まれるもの。築いてきた歴史と造り手の想いを酒屋として発信していく」ことを使命としています。
そんな住吉酒販で美味しい日本酒を伝えている吉岡さんは、管理栄養士でもある食のスペシャリスト。
「日本酒を中心とした、食文化を伝えていきたいと思っています。」
また来たくなるような接客で 福岡銀行北野支店音成さん
山口酒造場の最寄りの銀行である、福岡銀行北野支店。
当店は、山口酒造場をはじめとした酒蔵や様々な事業者と地域に根ざしたお取引をしています。
そこで働く音成さんは、主に窓口業務に従事しており、ご来店いただいたお客さまが喜んでお帰り頂き、また来たくなるような接客を心がけているそうです。
同僚や友人とお酒を飲みながら会話を楽しむ機会はあるそうですが、「正直、日本酒を進んで飲む機会はありませんでした。」
酒蔵見学での新たな発見とは
吉岡さん
「町並みの雰囲気が厳かで、いつも販売しているお酒がこんな素敵な場所で造られているのを初めて知りました。」
「建物内はとても清潔な印象です。日本酒造りには菌の働きが欠かせず、繊細なものですから、特に気をつけていらっしゃるのが伝わってきます。日本人にとってどこか懐かしい母屋がとても居心地がいいです。」
「現場を知ることで、お客さまに沿える言葉に深みが出ます。また、お客さまが酒蔵を知ることで、あじわいだけでなく、日本酒の文化伝統に想いを馳せながら酔えると素敵ですね」
音成さん
「今回初めて酒蔵に来ました。職人気質な現場をイメージしていましたが、吉岡さんも仰っている通りとても清潔感があります。お庭も綺麗に手入れされていてとても美しいという印象です。建物も古さは感じず、むしろ歴史を重ねた木の色がシックでオシャレです。」
「非公開のお酒造りの現場も外から見させていただきましたが、大きな樽がいくつもあり、私が一生かけても飲みきれないくらいの量がありそうでした。日々のコントロールが不可欠でまとまった休みをとることができないと仰っていて、職人さんの苦労が積み重なって出来ていることを知りました。」
試飲会を通じた気付きとは
(その1)庭のうぐいすulala フルーティーなあじわいとPOPなラベル
吉岡さん
「庭のうぐいすulalaは、山口酒造場さんと当社のコラボ商品で華やかなでPOPなパッケージが印象的です。あじわいも見た目どおりフルーティーで、その中にジューシーさも垣間みれる当社の人気商品の1つです。」
「ulalaは是非グラスワインでたしなんで欲しいです。日本酒といえばお猪口で飲むイメージだと思いますが、ワイングラスで飲むことで、お米の甘みがふわっとお鼻に広がり麗らかな気分が味わえます。」
音成さん
「アルコール度数の高いお酒を飲めるか不安がありましたが、ulalaはそんな私でも飲みやすかったです。甘い味わいが印象的でした。また、グラスでちょっとずつ飲んでいけば、無理なく酔うことが出来そうです。『香りを楽しむ』こともお酒の味わい方の1つなんですね。」
「飲みやすさもそうですが、ulalaみたいなSNS映えするパッケージも嬉しいです。女子会に持って行きたくなりますね。」
(その2)庭のうぐいす 鶯印のどぶろく まったりと飲める初心者向き
吉岡さん
「どぶろくは、昔田舎のおじいちゃんおばあちゃんが家で作っていたような、醗酵したモロミを濾さずにそのまま瓶詰めした濁り酒のことです。『鶯印のどぶろく』は、古式製法にて可能な限り手造りで仕込まれています。天然の乳酸たっぷりの甘酸っぱい、爽やかな飲み心地が魅力です。アルコール分6%と度数も低いので、普段あまりお酒を飲まれない方にもおすすめですよ。」
音成さん
「どぶろくは初めて飲みましたが、とても飲みやすいですね。以前飲んだマッコリに似た味わいでトロっとしたヨーグルトのような滑らかさとすっぱさが絶妙にマッチしています。」
「いきなり日本酒の王道に行くのが抵抗のある人も楽しめそうですね。」
地域の魅力を伝える
吉岡さん
「どういったところで日本酒が生まれ、どういった想いや感性をもった方が造っているのかを知るいい機会でした。普段、好みを伺いながらお客さまへお勧めしていますが、それだけではなく、日本酒が出来る背景までお伝えして酒蔵の想いをお客さまに届けていくことも酒屋の重要な役目だと改めて認識しました。」
「今回の企画をきっかけに、音成さんのようにあまり日本酒を飲みなれていない人にも第1歩を踏み出してもらえたら嬉しいですね。」
音成さん
「『久留米といえばラーメン』これって多くの方のイメージされるものだと思いますが、私が生まれ育った土地に多くの酒蔵があることを知るいい機会となりました。筑後川や筑後平野など自然に恵まれたこの地だからこそ栄えた日本酒造り、地域を大切にしようとされている山口さんの想いに触れることが出来た気がしています。」
「同世代の人にも地元のことをもっともっと知ってもらいたいですね。」
最後に~地域の魅力を共に届けていきたい~
私たちFFGは、地域を支える金融機関として、融資や資産運用はもちろん、地域の魅力を共に創っていきそれを多くの人に発信していく重要な役割を担っています。
酒蔵応援第1弾企画がスタートいたしましたが、地域の魅力をさらに高め、多くの人に知ってもらう地方創生の取り組みをさらに進めてまいります。