プロダクト紹介

こうふりネット

ふくおかフィナンシャルグループの2023年DX銘柄への選出を後押ししたWEB完結型の口座振替登録サービス「こうふりネット」。
開発チームを牽引するリードエンジニアの高鍋さんにお話を聞きました。

こうふりネット リードエンジニア 高鍋耀平(たかなべ ようへい)さん「銀行取引のDXで、お客さま・銀行の両者が本当に注力すべき事にかける時間を創り出したい」 こうふりネット リードエンジニア 高鍋耀平(たかなべ ようへい)さん「銀行取引のDXで、お客さま・銀行の両者が本当に注力すべき事にかける時間を創り出したい」
高鍋 耀平
Yohei Takanabe
2014年入社。入社後は約4年間、銀行店舗にて窓口・ローン・融資業務を担当。
業務の一部がデジタル化により負担軽減され、お客さまに向き合う時間が作れるようになった経験からシステムの企画・開発業務を希望するようになる。
2017年、社内の公募制度を利用してエンジニアに。一年目は地場SIer企業に出向し、ソフトウェアの企画、顧客折衝、開発、納品までの一連を現場で経験する。その後、本社開発チームに合流。
現在はこうふりネット開発チームのリードエンジニアとして活躍中。
WEB完結型の口座振替登録サービス「こうふりネット」
こうふりネットは口座振替登録の手続きをWEB上で容易に完結いただけるサービスです。
収納機関向けの顧客管理機能と、引落対象の個人のお客さま向けの申込み機能を1パッケージとして開発。
1パッケージにすることで、収納機関側の導入時のシステム開発は不要になり価格もリーズナブルにご提供することができました。
結果、特に地場の中小企業を中心に多数のご愛用をいただき、個人のお客さまからも便利になったと嬉しい声をいただきます。

また、銀行側にもペーパーレスにより環境保護に取り組める、事務コストの軽減により生まれた時間を本当に注力すべき事に充てられるという大きなメリットがあります。
こうふりネットのサービス概要 1、収納機関から利用者にこうふりネットを利用案内 2、利用者がこうふりネット利用申込み 3、収納機関が登録状況のオンライン管理 こうふりネットのサービス概要 1、収納機関から利用者にこうふりネットを利用案内 2、利用者がこうふりネット利用申込み 3、収納機関が登録状況のオンライン管理
DX銘柄2023への選定理由として評価されました
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)は銀行業として唯一、経済産業省が認定するDX銘柄に二年連続で選定されました。その選定理由の1つ「既存ビジネスの深化」の代表例として、こうふりネットが挙がっています。

FFGは2017年から内製開発の体制構築をスタート。今では多数の内製プロダクトが開発・運用される中、私たちが開発するサービスが評価されたことは嬉しかったです。
プロダクト誕生の背景、エンジニアの関わり
こうふりネットは社内のアイデア公募から生まれたプロダクトです。
法的整理の完了、6ヶ月間の実証実験での高評価を受けて経営陣より商用化が承認され、2021年12月、正式なリリースに至りました。

FFGではお客さま本位の発想でプロダクトを内側から作り出し、エンジニアが上流工程から開発、その後のグロースにまで携わることができます。
主体的・継続的にプロダクトに関わることが好きなエンジニアにとっては、大きなやりがいのある環境だと思います。
ビジネスチームと開発チームの連携、リードエンジニアとしての振る舞い
私はプロダクト開発は「いかに自分ごととして捉えるか」が重要だと考えます。
「自プロダクトにどれだけの愛着と熱意を持てるのか」とも言えます。
その姿勢と熱量が、時にロールの垣根を超えてでもプロダクトの成長のために能動的に動ける力になるのではないでしょうか。
また、チームに関してもメンバーの「自分ごと感」の強さがパフォーマンスに直結すると考えます。
メンバー各々が能動的に動くことで、個々の思考にとどまらず集団での企画・設計・実行に至るからです。

一例を挙げますと、私はコミュニケーションツールに流れてくるビジネスサイドからの共有情報が気になって仕方がありません。
お客さまからのご要望やビジネスの近況、相談など、生きた情報の一つ一つがサービス全体に対して必ず大なり小なりの影響を与えるからです。
そう考えていますので、私は率先して情報をピックアップしてメンバーと対話を行い、そこから生まれる気づきを大事にして開発を進めています。

また、この立ち振る舞いを心がけているのは、チーム全体にこの文化を醸成させたいがためです。
文化醸成のためのリードは開発におけるリードと同等、時にはそれ以上に重要だと考えています。
Buisiness Team:・プロダクトオーナー ・POチームメンバー x2(内 銀行業務エキスパート 1名) Dev  Team:・エンジニア x 3・スクラムマスター ・デザイナー(他Prd 兼任) Buisiness Team:・プロダクトオーナー ・POチームメンバー x2(内 銀行業務エキスパート 1名) Dev  Team:・エンジニア x 3・スクラムマスター ・デザイナー(他Prd 兼任)
アジャイル開発の実践
私たちは、お客さまに価値を届けることが最も重要だという共通認識のもと、その手段としてアジャイル開発手法を採用しています。
その実践にあたり意識していることがあります。それは、開発フレームワークをなぞるだけの表面的な実践にならないようにすることです。
フレームワークに振り回されることなく使いこなすために「なぜ、この手法を取り入れているのだろう」と議論を行ったり、理解を深めるために輪読会を開催する等、振り返りや手法選択目的の再確認、ベースとなる知識を向上するための活動を行なっています。

私たちの目的はアウトプットを生み出すことではありません。
需要が不明瞭な機能を数多く出すよりも、使われていない機能を特定して取り除くことが体験の質の向上につながることもあります。
私たちの開発の目的は価値の創造だと考えています。
これからのこうふりネット
私たちはお客さまの声やご利用状況から生まれた課題に真摯に向き合うように心がけています。
また、課題は大きなものから小さなものまで数多くあるため、柔軟に優先順位付けを行いながら改善に取り組んでいます。

例えば、サービスを導入いただいたものの、個人のお客さまからのWEB口座振替申込みへの移行が芳しくない収納機関が一定数いることは小さくない課題だと考えています。
お客さまのハードルは何なのか。申込み率の高い収納機関と、そうでない収納機関の双方にリサーチを行い、ログを解析し、仮説を構築し、検証のサイクルを回すことでWEB申込み率の向上をサポート、ひいてはDX支援を展開したいと考えています。

業務効率化を実感いただいた収納機関が本サービスを契機として、口座振替以外の業務においてもDXを推進されると嬉しいですね。
こうふりネット画面イメージ こうふりネット画面イメージ
エンジニアとしての展望
「この領域といえば高鍋」と言われるようになることが目標です。
また、そうなるためには周辺領域の知識・技術も必要だと考えています。
得意領域を掘り下げつつカバー可能な範囲を拡大して、周囲、チーム、組織に広く影響を与えられるエンジニアになりたいです。

私がエンジニアを志した理由、「DXによりお客さま・銀行の両者が本当に注力すべき事にかける時間を創り出す」ことの実現のため、自身の研鑽とチームのリード、組織貢献に尽力していきたいと思います。