目標・KPI
ふくおかフィナンシャルグループでは、環境課題・社会課題への取り組みを一層推進するため目標を定め、モニタリングを行うこととしました。
■環境課題に関する目標・KPI
■社会課題に関する目標・KPI
サステナブルファイナンス
- 当社グループでは、2021年10月にお取引先の環境・社会課題解決、脱炭素社会に資するファイナンスを「サステナブルファイナンス」と位置づけ、その累積実行額目標を「2020年度から2030年度までに2兆円(うち、環境1兆円)」としました。今後、お取引先の課題の解決支援を通じて目標達成を目指します。
2020年度から2030年度までの累積実行額
- 目標値
- 2兆円(うち、環境ファイナンス1兆円)
- 実績値
- 6,737億円(うち、環境ファイナンス2,895億円) 2024年3月31日現在
対象となるファイナンス
- 気候変動対応など環境・社会課題解決に資するファイナンス
- お客さまのESG・SDGs対応を支援・促進するファイナンス
日本銀行による気候変動対応を支援するための資金供給オペレーションの対象投融資に関する事項
- 気候変動対応オペにかかる対象投融資に関する基準および適合性の判断のための具体的な手続きの開示
- 気候変動対応に資する投融資にかかる実績について
カーボンニュートラル
- 地域の脱炭素に向けた取り組みを加速させるため、当社グループにおけるCO2排出量(Scope1,2)削減目標を2022年5月に、「2030年度までにネットゼロ」としました。
- 目標達成に向けて、店舗建替え時に環境配慮型店舗へシフトすることや、高効率な空調への切替、LED照明の採用など、省エネ施策を実施していきます。加えて、現在使用している電力を再エネ由来電源へ切り替えていくことも検討していきます。
- また、長期目線での取り組みとして、太陽光等の自家発電および、コーポレートPPAについても検討を行っていきます。
- 自社CO2排出量削減目標
- 2030年度までにネットゼロ
※対象はGHGプロトコルにおける、Scope1/Scope2
環境配慮型店舗
- 今後、店舗の建替え検討時において、ZEB※設計の店舗へシフトすることを積極的に検討していきます。ZEB設計の建物は電気使用量を大幅に削減することができるため、CO₂排出量削減につながります。
- 2023年2月に熊本銀行合志ローンセンター、6月に十八親和銀行波佐見支店、9月に福岡銀行南小倉支店、12月に福岡銀行柳川支店がオープンしています。
- ZEB(Net Zero Energy Building)とは 快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物です
CO2排出量
Scope3について
- GHGプロトコルにおけるScope3とは、事業者自ら排出している温室効果ガス(CO2等)であるScope1,2以外の事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量です。
- 当社グループでは2022年度より、カテゴリー15を含めたScope3を算出いたしました。
- Scope3の算定方法、排出計数等は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer2.5(環境省・経済産業省2023年3月)」及び「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位ベースVer3.3(環境省・経済産業省2023年3月)」より使用(カテゴリー8~14は算定による数値がゼロ)
計測項目 | 2022年度 | |
---|---|---|
カテゴリー1 | 購入した製品・サービス | 41,974 |
カテゴリー2 | 資本財 | 29,887 |
カテゴリー3 | Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 2,600 |
カテゴリー4 | 輸送、配送(上流) | 1,428 |
カテゴリー5 | 事業から出る廃棄物 | 40 |
カテゴリー6 | 出張 | 981 |
カテゴリー7 | 雇用者の通勤 | 3,402 |
カテゴリー15 | 投融資 | 20,077,259 |
- 数値は2023年3月末時点の福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行の合算
カテゴリー15(投融資)について
- PCAF(※1)スタンダードの計測手法を参考に、福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行の事業性融資先(法人・個人事業主)を対象に算定を実施しました。
- 企業が開示している温室効果ガス排出量データから算定する「ボトムアップアプローチ」と、業種ごとの炭素強度を使用して排出量を推計する「トップダウンアプローチ」を併用しています。
- 今後算定対象の拡大や高度化を進めていくとともに、算定結果を取引先とのエンゲージメントに活用し、排出量削減につなげることで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
業種 | 炭素強度※2 | 排出量※3 | |
---|---|---|---|
エネルギー | 石油・ガス | 2.26 | 355,133 |
電力 | 26.93 | 2,687,555 | |
運輸 | 自動車 | 4.94 | 212,079 |
陸運 | 3.20 | 800,492 | |
海運 | 6.55 | 758,583 | |
空運 | 12.14 | 53,356 | |
素材・建築物 | 金属・鉱業 | 10.87 | 1,742,040 |
化学 | 7.67 | 473,689 | |
建材・資本財 | 4.70 | 4,440,226 | |
不動産管理・開発 | 1.17 | 573,734 | |
農業・飲料・林産物 | 農業 | 8.08 | 269,413 |
飲料・加工食品・肉 | 5.17 | 1,060,460 | |
紙・林産物 | 3.67 | 158,928 | |
その他 | 1.87 | 6,491,572 | |
合計※4 | 20,077,259 |
- ※1 Partnership for Carbon Accounting Financials:金融機関の投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ
- ※2 炭素強度=Σ(融資先毎の炭素強度)/融資先数
- ※3 排出量の算定値(トップダウンアプローチ)=Σ(融資先ごとの炭素強度×融資取引先の売上高)×帰属計数(金融機関の投融資残高/株主資本・負債総額)
- ※4 決算期が未到来など算定に必要なデータがない取引先を除きます(投融資残高カバー率87%)なお、お客さまのGHG排出量の開示拡大や算定基準・方法・業種分類の変更などにより、今後算定結果は大きく変動する可能性があります
金融経済教育受講者数
- 金融経済教育の長期KPIとして「2030年度までに金融経済教育受講者数10万人」を目標に掲げました。自治体や学校と連携し、高校生向けの「資産形成」に関する授業の提供や、社会に出ることを目前とした大学生には従来からの金融講座を通じて理解浸透に貢献します。
- また、YouTube等のSNSでの発信を通じて、若年層の金融知識の習得を図っていきます。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 累計 | |
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金融経済教育受講者数 | 6,852人 | 26,680人 | 43,294人 | 82,189人 |
※受講者数=当社グループの実施する各種金融セミナーや職場体験、出張授業などの金融教育受講者の2020年度から2030年度までの総合計人数
※累計には2020年度以降の受講者数を記載しています。
女性役職者の登用
- 結婚や出産などライフイベントの影響を大きく受ける女性については、女性活躍推進法が制定される前か ら、自発的に女性管理職登用の目標を掲げて、女性の「キャリア支援」と仕事と家庭を両立できる「環境整備」に注力してきました。その結果、管理職に占める女性の割合は徐々に増え、活躍のフィールドも広がっています。
- 福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行では2028年3月末の数値目標、福岡中央銀行においては2026年3月末の数値目標を設定しています。
2024年3月末(実績) | 2028年3月末(目標) | |
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福岡銀行 | 16.9% | 25.0% |
熊本銀行 | 26.7% | 30.0% |
十八親和銀行 | 16.6% | 25.0% |
福岡中央銀行 | 18.7% | 18.0% |
役職者=管理職+部下を持つ役職者。「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づく管理職の定義と同等。
多様な背景を持つ役職者比率
- 2030年度末までに役職者に占める多様な背景を持つ人財(女性、キャリア採用等)の比率を35%以上に設定しました。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 目標 (2030年度) |
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役職者(管理職+部下を有する役職者等)に占める多様な背景を持つ人材(女性、キャリア採用等)の比率 | 20.8% | 23.8% | 24.7% | 35%以上 |